「VAT 69」 川端康成も飲んでいた(と思われる)スコッチウイスキー

『バンド・オブ・ブラザース』(原題: Band of Brothers):2001年製作、というテレビドラマがある。私はこの作品が大好きでブルーレイボックスまで買ってしまった。 劇中で印象的だったのが、酒好きのニクソン大尉が大隊に隠れて飲んでいたVAT 69という名の…

宮崎駿が現在吸っているタバコの銘柄について

宮崎駿の映画制作を特集した番組等を見ていると、宮崎が白いエプロンにタバコを咥えている姿がよく映っている。長年チェリーを愛飲していたようだが、東日本大震災を機に販売終了となっていて、それからは何の銘柄を吸っているのだろうと気になっていた。 『…

西伊豆旅行記

8月某日、大学以来の友人二人に誘われ、急遽西伊豆旅行へ出かけた。 早朝東京駅に集合し、東海道線で一路沼津まで2時間半、沼津からはレンタ・カーを借りた。車種はスズキ・スイフトであった。ボタンスタート式の車に乗ったことがなかったため、勝手がわから…

報復

前職の会社の先輩と酒を飲みに行く機会があった。 先輩の話によると、営業部の支店長が2名も退職してしまったという。Kは精神を破壊されて突然出社しなくなり半ば失踪、Tは同業他社のK社に移ってしまったという。 Tは退職を申し出る際に同業他社への転職は伏…

祖父について

訳あって2週間ほど鹿児島に滞在していた。 私は自分の家族や親類についてあまり書きたくない。私以外の者にとって興味も関係もないことである。これはただ私の心情を、感傷的な心情を書きとめた走り書きに過ぎない。 父方の祖父母は他界している。誰も住まな…

PS4『人食いの大鷲トリコ』 1周目クリア後レビュー ※若干のネタバレあり

思えばこのソフトをプレイするためにPS3を買ったのだった。 発表から7年、2016年12月6日の発売日の翌7日に、PS4本体と一緒に買った。 一通りエンディングまでプレイしたので気になった点を書こうと思う。 クリア時間は12時間くらいだと思う。 ・カメラワーク…

退職時に有給を全消化するのは我儘だと言われた話

先日入社7,8年目の先輩社員と話す機会があった。 「辞める時に有給を全部使うつもりか?」と聞かれたので 「そうです、使います」と答えた。 「有給ってさ、会社にとってはマイナスにしかならないじゃん? 出勤しないで休んでる奴に給料払うわけだからさ」 …

退職面談をした後、露骨な仕打ちを受けている話

先週、直属の上司Aに退職する旨を告げた。 「理由は何か」と聞かれたので、 「半年間の間、残業も手当も無しに働いており、金銭的に辛いというのが最たる理由ですが、その他にも個人的な理由で、色々思うところがありますので」と私は答えた。 「誰もが通っ…

営業といふ仕事に就ゐて思ふ

営業部に配属されて半年が経とうとしてゐる。 もう旧字使うのだるいから止めるか(早い)←(爆)。 営業と一言でいっても、会社によってその態様は様々である。その会社独自の製品やサービスを売り込む営業であるならば、なるほど、確かに「やりがい」(この…

就職して3ヵ月が経った

大学を卒業、就職してから3ヵ月が経った。 卸売業の朝は早い。朝は5時に起床して就業場所へ向かう。そこは大きな倉庫である。眠たい目を擦りながら、私は重い商品を棚から降ろして運ぶ。西村賢太の『苦役列車』に、港湾の倉庫で人足として働く主人公が出てく…

就職活動を総括する

大まかな流れ 2015卒として、3年生の12月1日の就活解禁日から活動を開始。ビッグサイトの大規模合同企業説明会やUターン希望者向け合同企業説明会に参加。学内企業説明会は参加せず(人気大企業は最初から除外)。 筆記試験対策、ES対策、履歴書対策、面接対…

島沢優子『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実』について

2014年12月5日に発売された『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実』という本を読んだ。著者は筑波大の体育科出身で在学中はバスケの選手をし、卒業後は日刊スポーツの記者となり、現在はフリーライターの島沢優子という人物である。 桜宮高校の暴力事件に関…

就活弱者の手記 ~合説の収穫と『若者応援企業』について~

前回の記事で書いた合説に参加した後、説明を聞きパンフを貰った企業を会社四季報や転職会議、Vorkers等で調べてみることにした。その結果は全く醜悪であった。例えば、ある建設会社(彼らはそう言っていた)の説明では、「私たちは〇〇ヒルズや〇〇ビルの建…

就活弱者の手記 ~交通費が現金支給される合説について~

年末年始、卒業まであと2カ月余りとなれば、さすがに無内定の4年生は焦る時期である。特に、卒業所要単位を取得できるかどうかも心許ない者にとっては、先行きが全く見えない進路未定の状態は苦しい。 この時期は、そんな弱った学生たちを獲得しようと、い…

東浩紀×市川真人トークショー 2014年9月29日(月) 於早稲田大学大隈記念講堂

記憶を頼りに思い出せるだけを書く。間違ってるかもしれないし前後の文脈が抜け落ちてるので注意。順もバラバラ。 東「題名に『硬直化するフクシマ』とあるが福島の話はしないので、それを聞きに来た人、社会運動系?の人には申し訳ない」 「社会運動系の人…

向田邦子『父の詫び状 』を読む

散文作家向田邦子が小学生の時に鹿児島に住んでいて、そのことをエッセイに書いているという。そこでわたしは大学図書館の地下書庫から向田の全集をひっぱり出してきて、鹿児島のことが書いてあってしかもそれが向田の代表作であるという『父の詫び状 』を読…

マートン『社会理論と社会構造』

・参考文献 R.K.マートン(森東吾・他、共訳)『社会理論と社会構造』、みすず書房、1973年 <要約>第四章「社会構造とアノミー」 これまで、心理学や社会学においては、人間の、生物学的に根ざしている強い衝動によって社会統制が破られると考える傾向にあ…

最終面接

{ノックして「どうぞ」返答「失礼致します」と言ったのち入室、鞄を所定の場所に置いた後、椅子の右側に立ち(通常は左側に立つが事前に右側に立って自己紹介するよう控え室で事前に指示)、自己紹介したのち着席} (随分面接官との距離が遠いな。恐らくこ…

TV版アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」第11話「静止した闇の中で」に関する短い考察

テレビ版エヴァンゲリオン第11話は静と動、日常と非日常のコントラストが鮮やかに描かれているだけでなく、エヴァンゲリオン・サーガの核心に迫る要素が随所にちりばめられた稀有な回である。本論では第11話の中でも特に重要な場面を取り上げ、考察していく…

NHKアーカイブス 映像ファイル♯088 安部公房

安部「ぼくはね、結局文学作品というのは、ひとつのもの、生きているものというか世界、極端に言えば世界ですよね。小さいなりに生きている世界というものを作って提供する、そういう作業だと思っていますけどね。だからお説教やさ、論ずるということはね、…

ハイデッガー『落ち着き ~原子力時代における人間の土着性~』(1959年発行) ノブゴロド訳 ※未完(最終更新2014.1.7)

著者:Martin Heidegger 原題:Gelassenheit ~Bodenständigkeit im Atomzeitalter~ ※訳者まえがき:この論説はハイデッガーが1955年10月30日にメスキルヒで行った、ロマン派作曲家コンラディン・クロイツァーの誕生175周年記念公開講演である。1959年に単…

ブルガーコフ『悪魔物語・運命の卵』(岩波文庫)私感 ※未完

◎悪魔物語 90ページくらいの作品ですぐ読めた。 ゴーゴリの作品に似ている。ゴーゴリ以後の姓に意味を持たせるロシア文学の伝統が受け継がれている(これは訳者の言葉だ)。現実と非現実がごちゃ混ぜになった、SFみたいな作品だ。こういう表現技法を「魔術的…

ドストエフスキー『白痴』(木村浩訳、新潮文庫)私感

※物語の核心に触れる重大なネタバレが存在する。未読者は注意されたい。なお、新潮文庫は背表紙のあらすじにモロに結末のネタバレをぶっ込んでくるため絶対に読んではいけない。 ・『白痴』がとてつもなく長くて退屈な小説であると感じる理由 長い、この小説…