営業といふ仕事に就ゐて思ふ

営業部に配属されて半年が経とうとしてゐる。

もう旧字使うのだるいから止めるか(早い)←(爆)。

営業と一言でいっても、会社によってその態様は様々である。その会社独自の製品やサービスを売り込む営業であるならば、なるほど、確かに「やりがい」(この言葉はあまり好きではないが)はあるだろうし、仕事もある程度は上手くゆくのではあるまいか。

例を挙げてみるならば、ホンダにはホンダでしか買えないクルマがあるし、その他特許を取ってその会社でしか売っていない機械などもあるであろう。

ところが、例えば卸(問屋)だとか、スーパーマーケットやホームセンター、その他サービス業など、競合他社が多く存在し且つ扱っている商品やサービスが、別にその会社でなくても購入することができる会社の営業の場合、これが大変である。

私の会社の営業職にはやはりノルマ、月に何件の新規顧客を獲得せよとか、この商品をどれだけ売って来い、というものがあって、俗にいう「飛び込み営業」も行うのであるが、その時客から言われた一言が強烈に我が胸に残っている。

 

「なんでお前のところから買わないといけないの?」

 

別に、私が勤めている会社からでなくても、いくらでも好きなところからその商品は買うことができるわけで、突然スーツで身を固めた見るからに冴えないうさんくせえ輩から買う道理など無いわけである。

では、他社とどういった点で差別化し、Battleできるかというと、価格である。値段である。プライスである。

顧客からの要望に対する対応の早さであるとか、営業の人となりなども差別化のポイントやもしれぬ。しかし、最終的に問題となるのは価格である。

だから、「うちならこれだけ勉強します」「うちならこれだけ協賛(只で商品をあげること)できます」ということになるのである。そうすると、粗利はガンガン減ってゆき、もう業界全体が値下げ競争に突入し、業界全体が疲弊の一途を辿るのである。

事実私の会社は賞与や退職金といった概念は無い、おまけに残業代などという概念も存在しない。

手取り13万で(ここは東京である)朝から晩まで働き、24時間365日どこにいても顧客からの電話はかかってくる。この仕事には、一日の終りは訪れない。

だから次から次へと辞めてゆく。事実「有給全部使います」との言葉を残して出社していない1年目の女子社員がある。余談だが、この子はかわいい。彼氏はいるのかと聞いてみたら「います。ラヴラヴです」などのたまっていたので、今頃彼氏様に慰められているのではあるまいか。ふざけるな!

私は辞める、私は退職する。未払いの残業代を請求したいが、タイムカードは全て手書きで定時上がりの時間を書くよう強要されていたので、証拠がない。私の証言だけでは心許ないだろう。

私は今まで、正社員で働きながらも貧困であるという人々の存在を信じることができなかった。その人の自堕落、自己責任だと思っていた。しかし、労働者を違法に搾取する犯罪企業は確かに存在する!残業代を払わないのは違法である!犯罪である!

そんな会社にしか入れなかったのはお前の努力が足りないからだと言うそこのエリート諸君には、大いに頑張って頂き、この日本という国を導いて頂きたい。

私は好きなようにさせてもらう。

 

 

青年の手記はここで終わっている。