向田邦子『父の詫び状 』を読む

散文作家向田邦子が小学生の時に鹿児島に住んでいて、そのことをエッセイに書いているという。そこでわたしは大学図書館の地下書庫から向田の全集をひっぱり出してきて、鹿児島のことが書いてあってしかもそれが向田の代表作であるという『父の詫び状 』を読んだ。どうやら鹿児島に居たのは二年ほどだったようで全く大した話は書いておらずひどくがっかりした。山下小学校に通っていて体育の時間に中央公園だかをランニングして、体育の先生が面白かったが出征して戦死したとか、食べ物がうまいが言葉がさっぱりわからないとか書いてあった。それくらいしか書いてなかった。まあ幼少期にわずかな期間しか住んでいなかったのだから仕方があるまい。たしか私の祖母も山下小学校、当時は尋常小学校かに通っていたと聞いた。

全く関係ないが詩人の黒田三郎も一時期鹿児島に住んでいたとか高校の授業で聞いたような気がする。